どうして写真を撮りたいのだろう?
時たま考えるときがある。
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別に人に言われてはない。
特でもない。
スキルupというほど夢見るものでもない。
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ただ、撮りたいから撮っている。
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強いて言えば、美しいものに絶対的にあこがれて、
恋慕する人間だから、でも、それとほど遠い現実だから、
機械を使ってそれに近づこうとしているのかもしれない。
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出来るならば、絵を描いてみたい。
手を使って、対象物を筆で色彩豊かに、寸分違わず、
現実以上に、作りあげたい。
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だけど、どうにもこうにも、化け物しか生み出せない。
まるで、フランケンシュタイン博士みたいに。
最高の人間を作り出そうとしたのに、
作られたのは醜悪な化け物だ。優しき心を持った。
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ただ、僕の絵も、優しき心はもっていたようで、
無様なデッサンの割には、他の俗悪な生徒からは、
理解されないほど(僕自身もそうだったが)美術の先生
からの数値的評価は高かった。
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しかし、それが哀しい表現物を、華麗に彩るわけもなく、
絵からは次第に遠ざかっていた。工業系学校という現実も
あるけど。
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その、隙間に丁度カメラがあったわけだ。
写すだけで、現実は寸分違わず描写される。
克明な色合いは、カメラの露出機能と、レンズの性能で
生み出せる。人は、その時の最高の場のみ与えてやれば
いい。
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まあ、こんなことを書くと、命がけで心技体を極めている
カメラマンの人には失敬な話に違いないが、正直、そんな
ぐあいなのだ。僕とカメラの距離関係は。
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それでも、僕はカメラを愛している。そして、ことあるごとに
持ち出しては、明日には最高の傑作を撮れるだろうと、
心躍る思いをしながら、シャッターを切っているのだ。
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