2010年6月10日木曜日

天才とひらめきと教訓


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ちょっと今日は私的な話を書いてみます。


今、エッセイを読んでいます。村上春樹の"やがて哀しき外国語 (講談社文庫)" (村上 春樹)


という本です。



とても“彼”(村上さん)のようには書けはしないのですが、ちょっと、


心に入り込んだ言葉があったので、忘れないように、書いてみたいと思います。


村上春樹と言えば、日本でも、海外でも、その名が知れ渡っている


天才的小説家です。





が、以外と彼が本格的に小説を書いたのは遅く、29歳になってからでした。


それも、彼らしい面白い切っ掛けから、“書こう”と、思い立った。





ある時、ヤクルト・スワローズの試合を、神宮球場の外野席で、のんびりとビール


を飲みつつ観戦していたときに、ひらめいたらしいのです。そんな馬鹿なと、本人すら


思うのですから、他人からしてみれば、あの大小説家が、こんな意味不明な切っ掛けで


誕生したとは、小説より奇です、世の中は。





さて、私が心に入り込んだ部分はというと、


彼が、小説をまだ書いていないときになります。





学生結婚し、仕事を始め、卒業し、家族と、借金を抱えた、


20代。肉体労働の日々を過ごしていた。





具体的には、“僕の店”で、ロールキャベツを作っていた。その為に、朝から袋いっぱいの


タマネギをみじん切りしなくてはならなかった、涙を流せば仕事が止まる、そんな、


過酷な状況で。





骨身を削るという、使い古された、苦労の一部側面的表現の末に、彼は知り得たことが


あり、それが、今小説を書いているときの、羅針盤となり、“書き続ける”ための、軸と


なった。





「本当の大学だった」と、その“僕の店”での出来事を回想しています。


それはこんなことでした。大切な言葉が続いているので、ほぼ原文で紹介します。





たとえば店をやっていると、毎日たくさんの客がくる。でも、みんながみんな僕のやっている


店を気に入るわけではない。というか、気に入る人はむしろ少数派である。


でも不思議なもので、たとえ十人のうちの一人か二人しかあなたの店を気に入らなかった


としても、その一人か二人があなたのやっていることを“本当に”気に入ってくれたなら、


、そして、「もう一度この店に来よう」と思ってくれたなら、店というのはそれでけっこううまく


成り立っていくものなのだ。


十人のうちの八、九人が「まあ悪くないな」と思うよりは、大部分の人が気に入らなくても、


十人のうち一人か二人が本当に気に入ってくれる方が、かえって良い結果をもたらす場合がある。


僕はそういうことを、店をやっているあいだに肌身にしみて覚えた。本当に骨を削るみたいにして


それを覚えた。





彼の小説はとても素晴らしい、言葉の流れの中に吸い込まれていく、読んでいる最中でも、

読んだあとでも、異空間の彷徨に酔いしれさせてくれます。





だけど、「どこが良かったの?」と聞かれると、それがうまく答えられないのです。

小説としての、論理体系と、日本語の表現、そして、物語にある論点などを、論理建て具体的に、

もれなく、明確に説明しようとしても、空を切ってしますのです、おもしろさのありかが。





だから、彼の小説は賛否両論が実に多い。それは、読んだ読者自身の心の中にも。なぜ?面白いの

その原因を探求すればするほど、まったく別のものへと迷い込む。





そして思うのです。よくもまあ彼は毎度毎度、他人にどう思われようが、確信犯的に感じ取れない読者

を切り離し、捨て去って、純粋に、真意に自分自身が書きたいことを書けるのだろうか?と。





今回、このエッセイを読みつつ、彼が、知識や、思考を越えた部分で、「骨身を削り」知り得た“もの”が

その原点になっていた。





あえて多くの不理解な人々を捨て、真意に理解し、感動を共有できる一人の人へ、あらん限りの心を届ける、

そんな、出来そうで出来ない勇気が、時として、絶対的に、人には必要なんだなと思い知ったわけです。 そして、少なからず、感動したわけです。





そこで、ちょっと思いついたのですが、私の好きなAppleもそうだなと。

ちょっと、不親切に思えるような、ことばかりしているのに、製品ばかり出しているのに、ピンポイントで

心に届く、何かがいつもあるから、好きになったら捨てられない。憎いのですが。





今、私も斜陽の業界にいて、日々四苦八苦していますが、願うならばこんなビジネスを、ほんの少しの人で

いいから、私が行うサービスなり、製品なりに、本当に心から好いてくれ、愛してくれるビジネスを作りたい。

まあ、その為には、もう少し、いろいろと四苦八苦しながら、このブログを豊かなものになければと、思う

のです。まあ、村上さんのような名文は無理に決まっていますが、それでもあきらめず。






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